交通事故で脱臼! 骨折との違いは? 症状の見分け方と正しい初期対応

交通事故に遭ってしまった際、体に大きな衝撃が加わることで、様々な怪我を負う可能性があります。その中でも、脱臼は骨折と並んで頻繁に起こり得る症状の一つです。
しかし、「脱臼と骨折、何が違うの?」と疑問に思う方も少なくないでしょう。
この記事では、脱臼の基本的な知識から、骨折との違い、症状の見分け方、そしていざという時の正しい初期対応について詳しく解説します。

そもそも脱臼ってなに?

脱臼とは、関節を構成している骨の位置関係が、正常な状態からずれてしまったものを言います。
骨の位置がずれていることで、関節の動きが制限されたり、強い痛みを伴います。
また、骨と骨をつなぐ関節包や靭帯も損傷するため、痛みがとれたあとも、関節が緩くなったままとなってしまうこともあります。

骨折と脱臼の症状からみる違い

骨折も脱臼も強い痛みや腫れを伴うため、ご自身で判断するのは難しい場合があります。
しかし、いくつかの症状には決定的な違いがあります。

  • 骨折の主な症状
    • 異常な可動性: 本来であれば曲がらない部分が、骨折をしたことで不自然に曲がります。
    • 軋轢音(あつれきおん): 鋭利となった骨折面同士がぶつかると擦れるような音がします。
    • 変形: 患部が明らかに腫れ、通常では見られない形に変形します。
  • 脱臼の主な症状
    • 関節の変形: 関節部分がへこんだり、膨らんだりするなど、不自然な形になります。
    • 関節の可動域制限: 関節の骨がずれることで、関節としての機能が失われ、動きが著しく制限されます。
    • 弾力性のある固定: 関節が「ガクッ」とはまり込んだような感触があり、自力で動かせなくなります。


交通事故で脱臼しやすい場所はどこ?

交通事故では、以下のような関節が脱臼しやすい傾向にあります。

肩関節

肩関節は、転倒時に手をついたり、強い衝撃が肩に加わったりすることで発生しやすい部分です。
軽度な脱臼であれば、医療機関へ受診するまでの間に自然に脱臼が治ってしまうこともあります。
完全に脱臼した場合は、腕を動かせなくなります。肩の腕側の骨が後方に脱臼した場合は、肩の前面が窪んだように見えます。逆に、前方に脱臼した場合ば、肩の前面が膨らんだように見えます。
肩の前面には神経や血管が通っているため、長時間放置をしていると、神経症状を引き起こすことがあるので、早めの受診をお勧めします。

肩の関節はもともと脱臼しやすい構造でもあり、一度脱臼をすると、完治をしても脱臼をしやすい肩になってしまうことが多いです。

肘関節

肘関節は、バイク事故などで直接肘を強打したときや、手をついたときなどに発生します。
症状は、肘が軽く曲がった状態で固定されて、動かせなくなります。
肘の前面に神経や血管が通っているため、長時間放置をしていると、神経症状を引き起こすことがあるので注意が必要です。

肘関節を脱臼すると、肘を構成する骨の一部が同時に骨折することもあります。
骨折を合併していると、治癒までの期間が長引くことになります。

股関節

股関節は、車内での衝突時に膝がダッシュボードに当たるなどして、股関節に強い力が加わることで脱臼することがあります。
脱臼をすると、股関節は動かせなくなり、歩行も困難になります。
通常、脚側の骨が後方(お尻側)に脱臼するため、お尻が腫れたように見えます。

指関節

指はハンドルを強く握った状態で衝突したり、手をついた際に脱臼することがあります。
脱臼をすると、指が異常な方向へ向いてしまうため、ケガをした本人も驚いて指を引っ張ることがあります。ただ、指の脱臼では、指を引っ張ることで脱臼部分が戻ることがあるため、そのような患者さんでは、正常に戻った状態で来院されたりします。
脱臼が戻っても、周りの靭帯や関節包は伸びてしまっているので、固定をして、治療をする必要があります。


脱臼って治った後が大変?

一度脱臼してしまうと、残念ながらまた脱臼しやすくなることがあります。
これは、脱臼によって関節を支えている組織がダメージを受けてしまうからです。
特に肩の脱臼は、関節の構造上、何度も繰り返してしまう人が多いことで知られています。

この「くせになる脱臼」は、特定の姿勢を取るだけで簡単に外れてしまい、強い痛みを伴います。
中には慣れてしまって自分で元に戻せる人もいますが、普通の人は治すことができないので、毎回病院へ行くことになります。
ちょっとした瞬間に脱臼をしてしまって、そのたびに病院に行かなければならないのは大変ですよね。



「くせになる脱臼」を防ぐためのリハビリ

脱臼が治った後、また外れてしまうのを防ぐためにはリハビリテーションがとても重要です。
肩の周りの筋肉をしっかり鍛えることで、関節が安定し、脱臼しにくい肩を作ることができます。
特に、脱臼を防ぐために働く特定の筋肉を重点的にリハビリで鍛えることが、再発のリスクを大きく減らす鍵となります。



リハビリはいつから始めるのがベスト?

理想的なのは、脱臼した肩を固定している期間中にリハビリを始めることです。
動かしてはいけない肩の代わりに、固定中でもできる筋力トレーニングなどを行うことで、回復までの期間を短くしたり、再脱臼のリスクをさらに減らすことができます。

また、肩を固定していると、肩だけでなく肘の関節も固まりやすくなります。
固定期間中に肘のリハビリもしておくことで、固定が外れた後に、肩の動きを取り戻すリハビリに集中できるようになります。


交通事故による脱臼でお悩みの方へ

交通事故で脱臼をしてしまい、治療やリハビリについて不安に感じている方もいるかもしれません。

「固定するだけで、他に何もしてもらえない…」 「レントゲンを撮るだけで、何もサポートがない…」 「固定が外れたら、もう来なくていいと言われた…」

もしこのような心配がある方は、一度「こはた接骨院」にご相談ください。
当院では、脱臼の治療からリハビリまで、専門家が一人ひとりに合った適切なサポートを提供しています。
何か不安なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。



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